かみのけ座銀河団
2010_008_10
 NGC 4911は,かみのけ座の方向。約3億2000万光年の距離に位置する「かみのけ座銀河団(別名Abell 1656)」に属する銀河の1つである。
 かみのけ座銀河団は,近傍宇宙では,もっとも密度の高い銀河集団の1つである。約1000個の銀河が詰め込まれたかのように存在していて,ひんぱんに衝突や接近を起こし変化し続けている。銀河同士の衝突では,活発な星形成が引き起こされる。
 NGC 4911の場合,うっすらと見えている腕は,伴銀河NGC 4911A(画像中,右上方)によって引き伸ばされ歪んでいる。このようにして銀河から引きはがされた物質は,銀河間空間に広がって次の世代の星をつくる材料となる。
 HSTの画像には,生まれたばかりの星と水素の雲(ピンク色)を背景に,濃いちりとガスから成る筋状の構造や,外側の渦巻く腕も見えている。そのほか,さまざまな形をした数千個もの銀河もとらえられている。
 
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